☆福島にて☆
彼岸も終わり、名月も出てすっかり秋の装いに。
皆様は「〇〇の秋」をどのようにお過ごしでしょうか。
自分は俗にいうシルバーウィークも毎日太鼓でした!
好きなことをお仕事として出来る事を本当に幸せに思います。
さて、先日福島県のいわき市にある
桶売小・中学校にお邪魔してまいりました。
遡って5月末に桶売中学校の校長先生よりご連絡をいただきまして、
体験活動と指導・演奏で伺うことになりました。
その指導というのが、地域に古くから伝わる
「鬼ヶ城太鼓」
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という伝統芸能の指導でした。
元々は地域の青年団の方々が継承してきたものでしたが、
過疎化・少子化が進み、現在はこの桶売小・中学校がその担い手となっています。
その学校も小学校、中学校あわせて32名で、
今回は川前小・中学校(児童4名、生徒1名)さんと、
小白井小・中学校(児童5名、生徒3名)、
3校(正確には6校)併せて45名の子達が対象となりました。
2部構成となり、
1部では皆さんに太鼓の体験と和楽器集団「鳳雛」による演奏をご覧いただきました。
時間に限りがありましたが、なんとか皆に触れていただきたくて、
ついつい時間もおしてしまいましたが、
必死に取り組む姿勢にこちらがとても感銘を受けました。
2部では桶売小・中学校の皆を対象に、鬼ヶ城太鼓の指導を行いました。
近年創作の和太鼓が普及し、それも1つのスタイルとなっているのですが、
こういった地域に伝わっていくものは大事にしたいという想いが私自身に強く、
技術的な指導もそうですが、
「なぜ今こうしているのか」
というテーマをもってご指導させていただきました。
新興(だけではありませんが)の創作太鼓と共通することは、
各パートが同じ音を出し、同じ振り付けをしていること、
その前提に共通認識が存在して、そこに向かうことでした。
普段の教室の指導でもそうですが、身体のつくりは大雑把に括れば皆ほぼ同じですが、
それぞれ骨格や姿勢、肉付き、手の大きさ、声の大きさに至るまで、
すべてが異なります。
同じ動作をしようと思っても100%すべてがマッチすることはなく、
どれだけそれに近付け、そう見せるかは安易に考えられがちですが、
実はとても難しいことです。
音も同じように、同じように出しているように聴こえても、
音を出す息や、バチのスピード、湿度等によって微妙に、そして大きく変化し、
実際には全く同じ音は2度と出すことは出来ません。
「音も生き物」
と良く耳にしますが、太鼓に限らず、奏者とその楽器で出せる限られた音の中に、
視聴者に何かしらの感情を受けていただく表現も重要な要素となります。
今「楽しさ」を表現しています!!とむき出しに笑顔を作ったり、
今「切なさ」を表現しています!!と悲しい顔をしたりと、
それも視覚的にはもちろん必要ですが、
潜在的なバックグラウンドが無いと真実は表面化されないものだと思っています。
また日本には美徳として、感情を出さずに淡々とこなすことも、
1つの表現方法として古くから伝わってきています。
「どうだ!俺たちすごいだろう!ほら!感動しろよ!」
とあからさまに出されるとなかなか受け手にはそれは伝わりにくいものです。(特に日本人には)
感受性豊かな小・中学生には
「ああしなさい、こうしなさい」
と指し示すことももちろん大事ですが、
「なぜこうなのか、なんのためにするのか」
を分かりやすく、また納得するまで突き詰めることも大事だと思います。
なぜこの構えなのか、なぜバチをこう持つのか、
皆の視線はどこなのか、何を考えているのか、
何を意識してお稽古するのか、今第三者にどうみえているのか等、
なかなか限られた時間の中で行うのは難しいことですが、
今回の指導がそのきっかけとなれば嬉しく思います。
児童、生徒の皆さんは多少緊張している様子もありましたが、
熱心に耳を傾けていただき、またそれを体現しようと頑張ってくれて、
先生方も私たちの発言や提案を今後のためにメモをとっていただいたり、
とても素晴らしい学校で、私たちが想像していたように、
こちらが貴重な経験をさせていただき、お勉強させていただきました。
今回の公演にとても熱い想いでご依頼をいただいた、
桶売中学校の高橋国雄校長先生はじめ、音楽の二瓶先生、諸先生方、
そして児童、生徒、近隣の皆さま、
本当にありがとうございました!!
また是非お声がけください!
今週末日曜日(2015年10月4日(日))に、
鳳雛和太鼓教室門下生が東京都北区で行われる
「第32回ふるさと北区区民まつり」(滝野川会場)
にて演奏させていただきます。
滝野川公園内 特設ステージにて
演奏は13:50~を予定しておりますが、
前後する場合もございますので、お越しになられる際は、
時間に余裕をもってお出かけください。
1つの音、1日1日を大切に。
季節の変わり目ですので皆さまくれぐれもご自愛ください。
和楽器集団「鳳雛」
兒玉 文朋
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