BLOG

ブログ

生きる中で時に心を落ち着かせること。
それがなかなか難しい一年だったのではないでしょうか。
自分は体に余裕があっても、心をゆったりと保つことに苦心した一年だったように思います。

祖父が遺してくれた「心を豊かに」という言葉を毎日のように考えていました。
毎日取り入れる情報の中で、適切にそれを処理して、振り回されず自分を保つこと。
それが思うように上手くいかず、心に不自由を感じていたような気がします。

「苦難を糧に」と思いながら、この冬のような時を乗り越えて春を・・・
と心では望みながらもどこか歯痒く感じている一年でした。

そんな中で沢山の方々に力をいただいた一年でもありました。
もう皆が遠い昔に感じている10月の無観客生配信公演は、日頃お世話になり過ぎていながら、演奏の機会を失した皆さんにとにかく演奏の機会を、そして自身には踏み出す力を課した公演でした。

新作となった「令和」は今までの公演の中の曲とはまた違う不思議な感情を抱きました。
作曲の山田玄紀さんが生み出してくださったこの曲は、温かさや厳しさ、高揚感や喪失感、そして情熱や希望、色々なものが凝縮された曲に感じることができ、和楽器集団「鳳雛」として、私個人としても人生の大切な1曲となりました。
山田玄紀さん、そして情熱を傾けて初演に臨んでくださった皆様に改めて御礼申し上げます。
ご多忙の中、「和楽器の普及のために」と、ゲスト出演いただきました鈴木福さん、アットプロダクションの皆様、初めての生配信公演をご覧くださった皆様にも重ねて御礼を申し上げます。

「令和」は鳳雛のYouTubeチャンネルでも公開しておりますので是非ご高覧ください。
【令和】和楽器集団「鳳雛」

また12月には長年お世話になっている、北区滝野川会館様の主催事業にて演奏会を披かせていただきました。
鳳雛としては久方ぶりのホールでの有観客となりましたが、定員の削減、また予防対策を入念に企画、実行してくださった関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。

鳳雛では世界中の支援を必要としている子ども達への募金や、震災復興支援に微力ながら募金活動を実施しておりましたが、本年は新型コロナウイルス感染拡大防止のための支援、水害被災支援への活動をさせていただきました。
見えないウイルスと早くからその最前線で今も尽力いただいている医療従事者の方々へ、もっと支援の輪を、と思いながらも、公演を打つことで人を動かすことは果たして正しいことなのか、舞台を作る人間がこんなことを考えてしまっていいのか、しかし生きるために仕事をしなければならない、それがどこかで誰かを苦しめてしまうのではないか。
そんなことを毎日毎日、毎日毎日考えます。

【壺中日月長】
こちゅうじつげつながし

豊かな時間を世界中の皆が感じられるように。
そして皆様のご恩にいつか報いることが出来ますよう、心も体も精進してまいりたいと思います。

今年一年、皆様からの沢山のお支えをありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。

和楽器集団「鳳雛」
兒玉 文朋

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。